【ディテールアップ】旧製品の行先方向幕②

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 旧製品の行先方向幕の加工に関する記事の2回目です。
※1回目の記事はこちらです。
 まず、今回使用する主な工具です。下図Aは「けがき針」で私が使用しているのはハセガワの「モデリングスクライバー」です。下図Bは「ピンバイス」です。しょっちゅうドリル刃を替えるのが面倒なので、0.3mm、0.5~1.0mm、1.1mm以上の3種類を用意しています。本当は0.1mm単位でピンバイスを用意すればよいのでしょうが金額がバカになりません。小さいのはタミヤ製、おおきいのはホームセンターで買った汎用タイプです。下図Cはデザインナイフでタミヤ製です。下図Dは「精密やすり」でハセガワのセット品です。
▼Aけがき針(左)、Bピンバイス(右)
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▼Cデザインナイフ(左)、D精密やすり(右)
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 今回は前回加工した行先方向幕のパーツを旧製品の車体に埋め込む作業です。
まず、塗装面を傷つけないように行先方向幕部分周辺をマスキングテープで保護します。(下図①)次に、方向幕部分の穴あけのためのガイドの穴をけがき針であけます。(下図②)次に、ケガキ針のガイドに沿ってピンバイスで穴をあけていきます。最初は0.3mmであけ徐々に大きくし、最後は1.0mmであけてみました。下図③はその写真です。あとは、デザインナイフで穴と穴の間を切り取って大きな開口部を作った後、精密やすりで方向幕の形に整えながら削っていきます。大体の大きさに削りだして方向幕を埋め込んでみたのが下図④の写真です。ここでピタッとはまればかっこいいのですが、私にはそこまでの技術はありませんので、車体と方向幕との間に隙間ができています。
 そこで、再びマスキングをしたのち(下図⑤)、隙間部分をパテで埋め、ラプロスで形を整えた後、とりあえず車体色と同じ色でタッチアップして方向幕を埋めなおしてみると、下図⑥のようになりました。当初の目的だったHゴム表現がしっかり出ているので、製品のままよりは良いかなと思っています。
 それにしても、最後の余計な作業なしに完成させられる人は大したもんです。

▼①(左)、②(右)
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▼③(左)、④(右)
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▼⑤(左)、⑥(右)
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※①~④の写真と⑤.⑥の写真は同一の車体のものではありません。

 さて、最後に、前回に引き続いて実車の方向幕を観察してみます。
▼キハ183-1501
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 サロベツ用の改造車です。雨樋部分よりかなり下に作りなおされています。

▼キハ183-1553
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 キハ183形1550番台のものです。キハ182形0番台と同様、雨樋部分直下から方向幕です。

▼キハ183-6101
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 お座敷改造車です。サロベツ用と同様に雨樋部分より下に設けられています。

▼キハ182-502
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 キハ182形500番台のものです。0番台同様雨樋部分直下に設けられています。

▼キロ182-507
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 キロ182形500番台もキハ182形同様です。ただし、キハ182-502をよく見るとある方向幕上部の盛り上がり部分がキロにはありません。ちなみにTOMIXのキハ183形100番台にはこの盛り上がりがきちんと表現されています。

《更新情報》
2012.07.15 記事を掲載

【ディテールアップ】旧製品の行先方向幕①

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 TOMIXのキハ183系が続々とリニューアルされ、ついに旭山動物園号まで登場するに至りましたが、実車同様旧製品もまだまだ現役で活躍してほしい・・・。(この文章はランボードの記事と同じです・・・)ということで今回は、簡易表現にとどまっている行先方向幕を改良するための加工を考えてみることにします。この加工は、キハ183形200番台の行先方向幕移設等にも応用できると思いますので、汎用性は高いのではないかと。
 記事が多少長くなるので、移植する行先方向幕のパーツ編①と行先方向幕の移植編②の2回に分けて紹介します。
▼旧製品(左)とリニューアル品(右)の比較
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このように旧製品ははめ込み用の穴が空いておらず、またHゴム表現がありません。このうちガラス部分にはシールを貼ってしまえばそんなに違いはないのですが、Hゴム表現の有無は見た目に影響を与えます。そこで、Hゴム表現のあるパーツを旧製品に埋め込むことで見た目の向上を図ってみることにします。

【1】パーツ編
 まず、使用するパーツですが、レボリューションファクトリーのパーツを使うことにしました。
▼パーツ
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 パーツを曲げてしまわないように気をつけながら切り出します。金属パーツの扱いについては最近発売された『Nゲージ・アフターパーツ完全マニュアル 国鉄新性能電車編 PART2』の記事が大変参考になります。
▼切り出したパーツ
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 次に、パーツを塗装します。まずは金属用プライマーをエアブラシで吹き付けます。今回は手に入りやすいガイアマルチプライマーを使用しました。
▼ガイアマルチプライマー(左)と塗装したパーツ(右)
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 次に方向幕の背景となる白色を塗装します。最近はガイアノーツのピュアホワイトを好んで使っています。
▼ピュアホワイト(左)と塗装したパーツ(右)
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 次に方向幕部分をマスキングした上でHゴム表現のためにねずみ色1号(GM製)を塗装します。
▼マスキングした上でねずみ色1号を吹き付け(左)、マスキングを剥がすと(右)
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 これでパーツの塗装は終わりです。最後にペンギンモデルのシールを貼り付けてパーツは完成です。
▼完成したパーツ(左はシール未貼付、右はシール貼付)
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 次は、このパーツを埋め込むための車両側の加工ですが、これはパート2に続くこととして、最後に実車の行先方向幕(今回は0番台)を紹介しながら分析してみます。

▼キハ183-1
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▼キハ183-3
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キハ183形0番台の方向幕はキハ182形0番台の方向幕の位置よりも少し低く、雨樋下部から方向幕上部まで隙間が多めにあります。キハ183-3はポリカーボネート板が取り付けられているので、ポリカーボネート板上部から方向幕下部まで隙間があまりありません。

▼キハ182-1
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キハ182-2
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▼キハ182-5
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 キハ182形0番台はキハ183形0番台に比べると、方向幕の位置が少し高く、雨樋部分との隙間があまりないことが分かります。次回紹介する加工の際、ここが難しい部分です。

▼キロハ182-3
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 ちなみにキロ182形0番台(写真はキロハですが方向幕の位置は変わっていないはず)はキハ183形0番台に近いと思われます。なぜ、キハ182形0番台の方向幕の位置を上げたのでしょうかね?

《更新情報》
2012.07.11 記事を掲載

【ディテールアップ】旧製品のランボード

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 TOMIXのキハ183系が続々とリニューアルされ、ついに旭山動物園号まで登場するに至りましたが、実車同様旧製品もまだまだ現役で活躍してほしい・・・。ということで今回は、非常に目に付きやすい旧製品のランボードをリニューアル品に近づけるための加工を考えてみました。
▼旧製品(左)とリニューアル品(右)の比較
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【1】既存ランボードの撤去
 まずは旧製品のランボードを削り落とします。使用する工具等として次の4つを用いました。
▼工具等一覧
①模型用平ノミ3mm                ②コードレスポリッシャー
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③スーパースティック砥石             ④耐水ペーパー(自作ホルダー付き)
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 事前準備として雨樋部分をマスキングテープで保護したのち、まずは①「平ノミ」でおおまかにランボードを削り落とします。屋根より削りこまない程度に大まかに削り落とせればよいと思います。(下の写真左:但し別の箇所)この作業はカッターやデザインナイフでもできると思いますが、私としては平ノミが一番使いやすかったです。
 次に屋根と同じ高さまで削り込むのですが、私は②のコードレスポリッシャーを愛用しています。製品の耐水ペーパーでは400番からしかありませんが、時間がかかるので240番の耐水ペーパーを丸く切り出して両面テープでホルダーに接着し、がしがし削り込みました。
 次に③のスーパースティック砥石で、新鮮空気導入装置付近やランボードと屋根の境界線付近等微妙な加減が必要なところを慎重に削っていきます。砥石も400番と800番を使い分けました。このスーパースティック砥石はこのような微調整部分で大変重宝します。
 最後に仕上げの耐水ペーパーがけを行います。最近は④のように自作のホルダーを作って各種耐水ペーパーをホルダーに合わせた大きさに切り出して使用しています。ちなみにホルダーは100円ショップで購入したざるそば用の竹をひもからばらして先を斜めに切り出したものです。105円で数十本作れますので割り箸よりお徳です。作業は400番から始めて800番、1000番と仕上げていきました。下の写真右が作業終了後の写真になります。

▼作業中の写真
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【新たに作るランボード用パーツの用意】
 ここにあまりエネルギーをかける方法だと量産が非現実的になります。色々なブログ等を参考にした末にたどり着いたのがエバーグリーンのプラ棒を組み合わせる方法です。
 用意するのは0.25×1.5mmのプラ棒(ランボード用)と0.25×0.75mmのプラ棒(足部分)です。1.5mmはちょっと細いのですが、プラ版を切り出すよりはるかに楽です。
 次に用意したのが、以前何かのオマケでもらったキハ183系ランボードの金属板です。もともとこれは旧製品のランボード横に貼り付けるためのものだったようですが、これがガイドとして役立ちます。これをテンプレート代わりにして1.5mm幅のプラ棒を切り出し取り付け足の位置を鉛筆で書き込みます。ちなみにこのテンプレートはなくても新製品等で実測すれば事足ります。
 次に取り付け足用のパーツですが、こちらは0.75mmのプラ棒を2mm程度の感覚で適当に切り出し、一方をななめにカットします。ここまでの状態が下の写真になります。

▼写真
①エバーグリーンのプラ棒            ②テンプレート代わりに用いたパーツ
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③切り出したランボード用のパーツ
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【3】パーツの取り付け
 まず、用意するものは2種類の接着剤です。下の写真左の接着剤はABS樹脂用の接着剤です。普通の流し込み接着剤だとすぐに取れてしまいますが、この接着剤は強力に固着してくれます。ランボードと本体はこれで接着しました。写真右の接着剤はサラサラタイプの瞬間接着剤です。これは取り付け足を固着するのに使用します。瞬間接着剤は色々なメーカーのものを試しましたが、最近はセメダイン製がお気に入りです。
▼接着剤
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 さて本題の接着ですが、まずはランボードの長辺の片面にABS用接着剤を塗り、水平になるように気をつけながら屋根に接着します。足がありませんが、この接着剤は粘り気があるのできちんと水平に取り付けられると思います。(下の写真①)
 次に、足のパーツの先に瞬間接着剤を少量塗りランボードと屋根の隙間に差し込んでいきます。ランボードの水平が損なわれないように気をつけながら両端2本、次に中ほど2本の手順で取り付けます。(下の写真②)
 最後に、完全に接着してから取り付け足の出っ張った部分を切り落とします。これで完成です。(下の写真③)この方法なら比較的短時間に加工することが可能だと思います。

▼加工写真
①                           ②
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 次は塗装ですが、まだ写真が用意できていないので、この続きはそのうちということにして、最後に実車の写真をいくつか掲載し分析してみたいと思います。

▼キハ182-30
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 新鮮外気導入装置横のランボードの写真です。ランボード上面に青色の滑り止めラバーが貼ってあります。塗装ではこれがとても良いアクセントになります。

▼キハ182-46
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 真横から写した写真です。ランボードと屋根の間に隙間がありますね。ウェザリングをするなら取り付け足下の屋根だけ汚れないというのがポイントですね。

▼キハ182-503
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 次はクーラーキセ横のランボードです。同じく青色のラバーが貼られています。

▼キハ182-508
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 クーラーキセ横のランボードを真横から写した写真です。 

▼キハ183-1556
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 最後にグレー色のラバーが貼られたキハ183-1556の写真です。最近滑り止めラバーが貼りなおされた車両ではこのグレー色のラバーが貼られています。車両によっては左右でラバーの色が違ったりすることもありますが、模型的にはあまり美しくありませんので、私の場合は基本的にすべて水色で塗装してしまいます。

 他にもランボードに注目して撮影した写真がいくつかありますので、参考までに、そのうち「車両データ」のページに掲載しておきます。

《2012.06.11 記事を掲載》