【考察】キハ183形100番台を見分ける(その5)

 第5回目の「その5」では、2008年(平成20年)から2013年(平成25年)にかけてTOMIXから製品化されたリニューアル製品仕様のキハ183形100番台について、模型のどの部分が実車のどの部分を反映しているのかを見てみたいと思います。Nゲージの各製品についての概要について詳しく見たい方は、次のページを参照してください。
【Nゲージ】キハ183形100番台

▼国鉄標準色(キハ183タイプ)
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 まず、全ての製品に共通して言えることですが、運転席側の新鮮空気導入装置脇のランボードの取付位置が、102号、104号と同じパターンであることが分かります。TOMIX製品では前面貫通扉上方の手すりや称呼標記は表現されていませんので、ランボードの取付位置から、TOMIX製品は、102号、104号をプロトタイプとしていると思われます。
 次にJNRマークの取付位置が運転席寄りであることが分かりますので、これは101号、103号、104号の特徴であることが分かります。
 ちなみに、104号は最初から国鉄標準色(キハ181タイプ)として出場していますので、厳密に言うと、このままでは写真のような車両は存在しないことになります。JNRマークを後方にずらせば102号、ランボードの位置を前方にずらせば103号ということになります。
 なお、雨樋の接続部分が赤色に塗装されていますが、実車の写真を見ると、102号、103号のキハ183タイプ時代の国鉄標準色、104号のキハ181タイプの時代の写真で確認できます。

▼国鉄標準色(キハ181タイプ)
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 JNRマークの位置に着目しますと、1-3位側の取付位置は102号の特徴を、2-4位側の取付位置は101号、103号、104号の特徴を表しています。
また、雨樋の接続部分はクリーム色に塗られており、キハ181タイプの国鉄標準色で一般的に見られるものです。

▼新特急色
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 JR北海道発足後のJNRマークが取り外されて以降の塗装が再現されています。写真には写っていませんが、客用扉側の通路部分の窓が黒く塗られていないパターンの塗装が再現されています。

▼HET色
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 「HET183」ロゴの位置が運転席窓の少し下方にありますので、102号、103号の特徴を表しています。運転席窓のサッシが黒く塗られているのは101号、102号の特徴ですので、この製品に一番近いのは102号ということになります。

▼とかち色
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 この塗色は104号のみですので、この製品のプロトタイプは104号ということになります。乗務員室情報の屋根色と車体色との塗り分けラインはHET色のものとは異なり、雨樋の高さのところにある時期が再現されています。

 このように、TOMIX製品は、苗穂工場で改造された102号、104号をプロトタイプとしつつも、ちょっとした加工や塗装表現の変更で101号や103号を再現することも可能であるといえます。

《更新履歴》
2018.02.13 記事を掲載

【考察】キハ183形100番台を見分ける~目次~

 キハ183形100番台は、国鉄時代の1984年(昭和59年)から1985年(昭和60年)にかけて、中間電源車のキハ184形を先頭車改造して誕生したもので、独特のスタイルと4両のみの希少性のためか、「坊主」という愛称で親しまれ人気があります。2010年(平成22年)までに104号を除きすべて廃車され、2017年(平成29年)3月には、最後の104号も廃車され形式消滅しました。
 廃車時の外見上は、101号~103号の3両が「HET色」、104号が「とかち色」という大きな違いがありますが、それ以外にも、細かく見ると、4両にはそれぞれ様々な違いが見られます。こうした違いが分かるようになると、雑誌やネット上に掲載されている写真のかなりの部分について、車番が明示されていなくても特定できるようになります。
 この記事では、こうした観点から「キハ183形100番台を見分ける」と題して、4回に分けて考察してみることにしました。また、番外編として5回目の記事では、TOMIX製品のNゲージ模型について考察してみます。
※この記事は、2011年(平成23年)に書かれた記事をもとに、再編集したものです。

目次

記事番号
内容
その1
改造時の構造上の相違点
その2
国鉄標準色時代の相違点
その3
新特急色時代の相違点
その4
HET色、とかち色時代の相違点(工事中)
その5
TOMIX製品の考察(工事中)
※それぞれの記事番号をクリックすると記事へリンクします。


▼キハ183-101(2-4位側)
キハ183-101
画像は「鉄道模型工作記録帳」の管理人様提供。禁転載。

▼キハ183-102(2-4位側)
キハ183-102
画像は「鉄道模型工作記録帳」の管理人様提供。禁転載。

▼キハ183-103(2-4位側)
キハ183-103

▼キハ183-104(2-4位側)
キハ183-104
画像は「鉄道模型工作記録帳」の管理人様提供。禁転載。

▼キハ183-101(1-3位側)
キハ183-101
画像は「鉄道模型工作記録帳」の管理人様提供。禁転載。

▼キハ183-102(1-3位側)
キハ183-102
画像は「鉄道模型工作記録帳」の管理人様提供。禁転載。
▼キハ183-103(1-3位側)
キハ183-103

▼キハ183-104(1-3位側)
キハ183-104

《更新情報》
2018.02.12 記事を掲載

【考察】キハ183形100番台を見分ける(その3)

 第3回目の「その3」は、新特急色時代についてです。101号と103号は構造上の相違点がはっきりしていますので、簡単に見分けられますが、102号と104号の違いは、JNRマークが撤去されてしまっているため、なかなか見分けるのが難しくなっています。
 写真を掲載できる101号と103号の写真を見比べながら考察してみます。
▼キハ183-101
キハ183-101
画像は「JS3VXMの鉄道管理局」様の許可を得て転載。禁転載。

▼キハ183-103
キハ183-103

キハ183-103
画像はいずれも「JS3VXMの鉄道管理局」様の許可を得て転載。禁転載。

 まず、新特急色への塗色変更日を一覧にすると次のようになります。

▼新特急色への塗色変更年月日
車番
塗色変更年月日
場区
備考
キハ183-101
1987(S62).01.30
苗穂
五稜郭車両センター改造
キハ183-102
1987(S62).09.24
苗穂
苗穂工場改造
キハ183-103
1987(S62).05.23
苗穂
五稜郭車両センター改造
キハ183-104
1987(S62).09.14
苗穂
苗穂工場改造

 JR北海道の発足は1987(昭和62年)年4月1日です。国鉄時代に塗色変更を受けたのはキハ183-101のみですので、上の写真のようにJNRマーク付きで出入台横にJRマークのない写真はキハ183-101ということになります。(102号~104号は塗色変更と同時にJNRマークをはずされたと考えるのが自然ですが、私はそこまでは確認できていません。)ちなみに、塗色変更直後の101号はテールランプ横のジャンパ栓受けが橙色ではなく白色なのも特徴の1つです。101号も民営化後にJNRマークをはずされたと考えられますが、その時期は不明です。
 次に、3位側の機械室向かいの通路の窓が黒く塗られているか塗られていないかによる違いがあります。上の2枚の写真を見比べると、101号は黒く塗られており、103号は黒く塗られていません。写真はありませんが、102号も黒く塗られている写真を確認しています。104号は確認できていません。また、103号の写真にも黒く塗られているものがありますので、103号も時期により黒く塗られているようです。ちなみに写真の103号のジャンパ栓受けは橙色です。

▼窓周辺の塗装のパターン(上が写真の101号タイプ、下が写真の103号タイプ)
キハ183-100

 TOMIXから発売された新特急色の製品は写真の103号タイプとなっています。

【追記】
 こむめ様からいただいた情報によりますと、やはり同じ車番でも、塗装変更により複数の黒帯パターンが存在したようです。また、次のような黒帯のパターンもあったようです。また、調べてみたいと思います。

▼窓周辺の塗装パターン(その3)
キハ183-100

 102号と104号については、一番はっきりと分かる相違点だったJNRマークが撤去されてしまったため、なかなか見分けるのは困難です。

《参考文献》
・Rail Magazine(1987.4)№40 P.146
→1987年(昭和62年)1月28日に苗穂工場で塗色変更中のキハ183-101の写真が掲載されています。

《更新履歴》
2010.07.19 記事を掲載
2010.07.25 記事を更新
2018.02.12 記事を全面的に書き換え