【考察】キハ183形100番台を見分ける④

 『RM MODELS』186号(2011年2月号)のキハ183系に関する記事(「TOMIX〈オホーツク〉セットを使って・・・北の味覚、キハ183系を味わい尽くす!Part2」)の中で、五稜郭工場で改造された101、103と苗穂工場で改造された102、104とでは、先頭側の新製外気導入装置横のランボードの取り付け位置が異なっているという記事が紹介されていました。最近、他のブログ等でも取り上げられているようです。私も全く気づきませんでした。
 そこで、手元にある103と104の横から写した写真で、ちょっと確認してみました。

▼キハ183-103の該当部分
キハ183-103

▼キハ183-104の該当部分
キハ183-104

 こうして比べてみると、確かに、103の方は行先方向幕中央あたりにランボードの端がありますが、104ではそれよりも客室側にランボードの端が寄っており、だいたい行先方向幕の客室よりの端あたりからはじまっています。
私の手元にはちょうどよい写真がありませんが、101は103と同様、102は104と同様の傾向にあるのだと思われます。
 改造で新製した運転台部分そのものは4つ作ったのでしょうが、移設した部品や後付けの手すりなどは、各工場の裁量で行われていたのでしょうか。
 改めてTOMIXの製品を見てみると、確かに104と同じランボードの配置になっています。最初からオホーツク色を発売することをもくろんでいたのでしょうか?この理屈で行くと、仮にHET色を発売するとなると102となり、運転台横のHETロゴの位置は高い位置ということになりますが、どうなるでしょうか。

〈追記〉
 交友社から『魅惑のJR車両たち 動止フォトグラフ』(広田尚敬著、1990年)という写真集があります。ここに102の真横からの写真がありました。確かに104と同じ位置にランボードが取り付けられていました。

《更新履歴》
2011.01.22 記事を掲載
2011.02.22 記事を追加


【考察】キハ183形100番台を見分ける①

 キハ183形100番台は、中間電源車のキハ184形を先頭車改造して誕生したもので、独特のスタイルと4両のみの希少性のためか、「坊主」という愛称で呼ばれ人気があります。2010年までに104を除きすべて廃車されており、希少性?はますます高まっています。
 廃車時(104は2011年現在)の外見上は、101~103の3両が「HET色」、104が「とかち色」という大きな違いがありますが、それ以外にも、細かく見るといろいろな違いが見られます。

▼キハ183-101(2-4位側)
キハ183-101
画像は「鉄道模型工作記録帳」の管理人様提供。禁転載。

▼キハ183-102(2-4位側)
キハ183-102
画像は「鉄道模型工作記録帳」の管理人様提供。禁転載。

▼キハ183-103(2-4位側)
キハ183-103

▼キハ183-104(2-4位側)
キハ183-104

▼キハ183-101(1-3位側)
キハ183-101
画像は「鉄道模型工作記録帳」の管理人様提供。禁転載。

▼キハ183-102(1-3位側)
キハ183-102
画像は「鉄道模型工作記録帳」の管理人様提供。禁転載。

▼キハ183-103(1-3位側)
キハ183-103

▼キハ183-104(1-3位側)
キハ183-104


 今回、「鉄道模型工作記録帳」の管理人様に教えていただいて初めて気づいたのですが、同じHET色でも、ロゴマークの貼付位置が違います。上の写真を見る一目瞭然ですが、101のロゴマークの位置は運転席窓の位置よりかなり低く、102は運転席窓直下の位置にあります。103は102と同様の位置にあります。
 また、運転席窓のサッシは、101と102は黒く塗られていますが、103と104は銀色のままです。

▼貫通扉上方の手すりの位置(左上101、右上102、左下103、右下104)
キハ183_100 キハ183_100

キハ183-103 キハ183_100

 次に、貫通扉上方の手すりの付け方が、五稜郭で改造された101、103と苗穂で改造された102、104で異なります。上の写真から分かるように、前者は垂直方向に、後者は水平方向に手すりが取り付けられています。更に垂直方向に取り付けられている101と103でも、101の方が貫通扉に近い位置に取り付けられており、103は明らかに101よりも高い位置に取り付けられています。

以上のことから、車番のはっきりしない写真でもある程度者番を推定することが可能です。同じ「HET色」車でも、ロゴマークの位置が低ければ101、ロゴマークの位置が高く手すりが水平方向に取り付けられていれば102、垂直方向に取り付けられていれば103ということになります。また、サッシが黒色で手すりが垂直方向なら101、水平方向なら102、サッシが銀色なら103ということも言えるでしょう。101と103は巣直方向の手すりの取り付け位置の高低でも区別できます。

ちなみにATSマークの標記位置や屋根の塗り分けも異なる点があります。

▼ATSマークの表記位置
左は101、右は102
キハ183_100 キハ183_100

左は103(2004年)、右は103(2009年)
キハ183_100 キハ183_100

104
キハ183_100

 101、103、104は乗務員扉下端付近、102は乗務員扉取っ手付近にATS表記があります。ただし、103は廃車時には102同様の位置に改めれられたようです。

▼屋根の塗り分け位置
左は101、右は102
キハ183_100 キハ183_100

103
キハ183_100

左は104(2004年)、右は104(2010年)
キハ183_100 キハ183_100

 屋根のグレー色と青色(104は灰色)との境目に着目すると、101、102は雨樋部分までグレーで塗られていますが、103では途中に塗り分け線があります。104は、以前は途中に塗り分け線がありましたが、平成21年4月の全検時に雨樋部分までグレーの塗り分けに変更になりました。

 称呼表記の取り付け位置にも個体差があります。称呼表記とは下の写真のもの(写真はキハ183-1507のもの)で1位側と2位側にあります。国鉄の場合、特急形はペイントではなく銘板と同様に取り付けられていました。

▼称呼表記(2009.10.10撮影)
称呼表記

▼称呼表記の位置。写真左上は101、右上は102、左下は103、右下は104。
キハ183-100 キハ183-100

キハ183-100 キハ183-100

五稜郭で改造された101と103は雨樋よりも客室よりに取り付けられており、103の方がより客室よりです。苗穂で改造された102と104は乗務員扉よりも前よりで取り付け位置はほぼ同じです。

※小さな画像の一部「鉄道模型工作記録帳」の管理人様提供。禁転載。

《更新履歴》
2010.07.16 記事を掲載
2010.07.18 記事を更新
2011.01.18 記事を更新


【考察】キハ183形100番台を見分ける③

今回は、国鉄標準色のキハ183形100番台の見分け方について、管理人なりに考察してみます。
▼キハ183-102(国鉄標準色)
キハ183-102
画像は「JS3VXMの鉄道管理局」様の許可を得て転載。禁転載。

▼キハ183-104(国鉄標準色)
キハ183-104

 五稜郭改造の101、103と、苗穂改造の102、104の見分け方は、キハ183形100番台の見分け方①で触れたように、正面貫通扉上方の手すりの向きが垂直方向(101、103)か水平方向(102、104)かで容易に判断できます。
 
 今回問題にするのは、102と104の見分け方です。管理人が注目している点は3点あります。1点目はJNRマークの取り付け位置で、102は104に比べて方向幕寄りに取り付けられています。2点目は前位側の雨樋の縦方向と横方向の重なっている部分ですが、102はクリーム4号、104は赤2号で塗装されています。3点目は1987(昭和62)年4月の国鉄民営化以降、9月に新特急色に塗色変更されるまでの期間限定ですが、白色のJRマークの貼付場所が異なります。102は104と比較すると、より出入台寄りに貼付されています。
▼左はキハ183-102、右はキハ183-104
キハ183-102 キハ183-104

 101と103については手元に写真がないので、また改めて考察します。


 余談ですが、そもそも、なぜこんなことを調べ始めたかというと、特に古い写真の中には、車番を確定できないものが多いのですが、少しでも確定させて車両データの写真として活用しようという思いから始めました。上の写真のキハ183-104の写真はこうした考察の成果、車番を特定できたものです。